司書講習への道~After~

司書資格取得後の図書館勤務生活について書きます

非正規図書館員に必要なレジリエンス4つ

こんにちは。

下書きのまま時間が経ってしまったこの原稿を、今頃こっそりあげます。。

 

その前に前回の話の続き。

 

電力会社は再生可能エネルギーメインのところへ変更を済ませました。

 

児童書の環境問題に関するシリーズものは相変わらず読めていませんが、新刊で入って

きた、16歳の環境活動家、グレタ・トゥーンベリさんについて書いた本や、プラスチッ

クごみについて書いた絵本などは読みました。

化繊の衣服を洗濯するだけで、マイクロプラスチックが流れるというのは知らなかった

ので、最近はあまり化繊の服は買わないようにしています。

 

グレタさんの本で、地球環境があと10年?だかでリミットを迎えるという現実

を知り、まさかそんなに切羽詰まった状況だとは知らなかったという、

大人として恥ずかしい事実を発見したことを、ここに白状しておきます。

なので最近はなるべくラップを使用しないでフタにするとか、冷暖房を使う時は

扇風機で風を回して効率よくするとか、自分の出来ることを心掛けています。

 

さて、そんな中、今日は非正規の公共図書館員に必要なレジリエンスについて

書いてみたいと思います。

なぜ非正規かというと、自治体の公共図書館嘱託(今は会計年度任用職員)司書は、

1年更新で、更新上限が5年などと決まっていることが多く、新たな自治体で新人

から始める機会が多いと思うからです。

 

 

レジリエンスとは。。。コトバンクによると、

 

「復元力、回復力、弾力」などと訳される言葉で、近年は特に「困難な状況にも

かかわらず、しなやかに適応して生き延びる力」という心理学的な意味で使われ

るケースが増えています。

さらにレジリエンスの概念は、個人から企業や行政などの組織・システムにいたる

まで、社会のあらゆるレベルにおいて備えておくべきリスク対応能力・危機管理

能力としても注目を集めています。

出典 『日本の人事部』人事労務用語辞典について 情報

 

とのこと。

私はここ数年、2つの自治体で非正規司書として働いた経験から、

公共図書館で非正規司書として働くにあたり、身に着けておいた方がいい

リスク管理がいくつかあるな、と思ったので、今日はそれを書きます。

 

本題に入ります。

 

気を付けた方がいい事その1は、

 

通路を塞がない」こと。

 

図書館は内部でかなり沢山の本を動かす仕事で、私だけ?かもしれませんが、

気を付けないと、作業中(ブックトラックに本を乗せるとか)に人が通る通路

を塞いでしまうことがよくあります。

これはほぼ100パーセント、むっとされます。

 

「○○さん、すいません、そこ通りたいんですけど。」

と普通に言ってくれる人がいればまだましですが、むっとした声で

「ちょっとそこ塞がないでくれる?」とか言われることもあります。

まあたいていは少々むっとした声で「○○さん、そこ通りたいです。」

とか言われます。

そのたびに「すみません!」と飛びのくのは、結構なストレスです。

 

なので自分が留まろうとしている場所は、人の通路になっていないか、今人が

横に来て通ろうとしていないか、常に周りに気を配っておく必要があります。

そして人が来る気配がしたら、何か言われる前にさっとどいておくことが、

ストレスを避けるための必須事項となります。

 

作業しながら周りに気を配るというのは大変で、作業に集中していると難しい

とは思いますが、たとえ作業スピードは落ちても「通路に気を配る」方を優先

した方が、ストレスが減り、結果仕事を続けるための体力を養うことにもなるの

で、私としてはこちらを優先したほうがよいと言えます。

 

これができると、こちらのストレスがぐんと減ります。 (むこうのストレスも)

 

今どきどこの図書館も大抵そうだと思いますが、ぎりぎりの人数で運営してい

ます。

 

常に時間が足りない中、急いで本を持って移動したり、作業したりしなくてはなら

ないことも多く、そんな時、自覚なく自分のスムーズな移動を妨げる者は、大変

目障りな存在となります。

新人だからまだ動線も把握できていなくてよく解っていないのですが、きょうび、

むしろ新人に配慮できる心に余裕のある人の方が少なく、ベテランであろうと、

たいていはみんな自分のことで精いっぱいです。

図書館で働くなら、まずはそのことを理解しておく必要があります。

 

建物の構造も、業務による動線も把握しきれない新人のうちは大変かと思います

が、これを心掛けるだけでだいぶ初期の心理的負担が軽くなると思うので、図書館

員の必須スキルと言ってよいと思います。

 

さてその2は、

 

 「知っていることを注意されたり、覚えのないミスを疑われた時は、遠慮しないで

 ちゃんと申し開きをする」

  

 

ことです。

 

自治体にもよるかとは思いますが、特に閉鎖的で情報共有があまりなされていない

職場だと、新人は何かと疑いをかけられがちです。

やったこともやってないことも。私の場合はやってないことの方が多かったです。

 

その場合、面倒でも

「この状況でこうだったのでこうしました」

「○○さんにこうすると教わったのでこうしました」

「それは私ではありません」

「この状況でこうすることはもちろん知っています」

などと、状況や自分の認識、やったこと、やっていないこと等を一つ一つ説明して

いくしかありません。

 

そうしないと、誰も自分の身の潔白を証明してはくれないからです。

 

 自分で自分の潔白を証明しないと、最悪他人のミスの濡れ衣を着せられること

にもなりかねません。

申し開きをしてもその場の勢いで無視されたりもしますが、

少なくとも、黙って何も抵抗しないというのだけは、避けなくてはなりません。

 

そうした職場では新人にマウントするような人がいない訳でもないので、そうい

う人に隙を与えないようにする意味もありますし、無駄な注意を避けるためにも、

(注意する方の労力を節約するためにも)とにかく自分の実力はいちいち明らかに

していく必要があります。

 

こういった職場に長くいる人はそれなりに対処の仕方を身に着けているので、仕事

をきちんとしているかどうかはともかく、面倒を回避する術には長けています。

 

例えば要綱がきちんと定まっていない、グレーな案件があったとして、皆がその

場を各自のやり方で切り抜けてばかりいて、肝心の要綱が全く整理されること

なく放置されているようなところだと、こうしたトラップ(と言いたくなるよう

な案件)は数多く存在するので、余計に注意が必要です。

 

同期がいればまだましですが、新人が自分ひとりしかいない場合、最初のうちは

愚痴を言って発散できるような人もいないので、こうした濡れ衣はかなりのスト

レスとなります。

早めに対処しておいた方が得策です。

 

妙な疑いをかけられずに済むようになるためには、一つ一つの仕事を確実に

こなし、長いレファレンス明けで疲れていてもとにかく状況を説明し、面倒

でも自分の認識と対処方法をいちいち説明し、地道に信用を積み上げるしか

ありません。

 

知っていることを注意されそうになったなら、

「わかっています。○○の時は〇〇するのですよね?」

 などと言っていき、「知っていることと知らないこと」「やっていることといな

いこと」をはっきり区別して知らせていくと、余計な説明を省くことができ、

向こうもこちらも気分良く過ごせることが多くなると思います。

 

ちなみにグレー案件はあまりに多いとストレスの元になるので、やる気と

元気があれば、職員に改善を要求していくことが必要だと感じますが、要綱

を改善するのは職員の仕事なので、非正規の場合、自力ですぐになんとか

できる類のことではありません。

 

「自力で対処できないストレスフルなグレー案件が多い」というのは、

少なくとも私にとっては大変なストレスで体力を消耗するものであり、

元々体力仕事も多く消耗しがちだったせいもあり、改善を要求していく

ことまではなかなかできませんでした。

 

そうした職場はそもそも改善を要求しても通らないで放置されている

ことが多いので、このストレスを避けるには、諦めて流すか、職員に言い

つつ辛抱強く待つか、辞めるかしかないような気もします。

ちなみに私は辞めました(^_^)

 

3点目は、

 

 「業務妨害を受けたら、1人で抱え込まず、周りの誰かに相談する

 

業務妨害ですが、そういった問題のある人というのはどこの職場にも1人はいて、

たいていは隠れて悪事を働くものです。また、普段は問題ないのに、たまに魔が

差すのか、急に意地悪な感じになる人もいます。あとは自覚なくやってる人も。

 

図書館で働く悪事とは一体・・?と疑問に思う方のためにもう少し具体的に言うと、

 

「他に誰もいない(気付かない)状況で貸出時10冊ある紙芝居の枚数確認を手伝わず、

全部こちらひとりでやらせる」(紙芝居は貸出前や返却時に枚数確認するのが普通です

が、沢山ある場合は近くにいる人が手伝うのが常識)

 

「他に誰もいない状況で、予約本用意完了の電話を全部一人でかけさせる」(本当は担 

 当グループ全員でやるはずのもの)

 

「他に誰もいない2人だけの担当グループ内プロジェクトで、必要な情報共有をわざと

 しない」

 

などなど。「他に誰もいない」というところがポイントです。

つまり被害者さえ訴えなければ、悪事がばれることはない状況を選んでいる、

ということですね。

そして悲しいことですが、そういうことをされるということは、自分は相手に

「こいつは訴えたりしない」と思われている、平たく言うと、なめられている、

ということになります。

もちろん、言える人はその場で「これ手伝ってください」などと言えばいいだけ

なので、全く問題ありません。

 

もしあれ?と思うようなことがあったら、たぶんそれは勘が当たっています。

 

黙っていれば確実に増長しますが、そういう人はこちらが抵抗してこないと思って

いるから安心してやっているのであって、抵抗すればとたんに身を引きます。

なので少しでも早めに抵抗する構えを見せることが大切です。

 

また、自分で抵抗できなければ上司や同僚などに相談するのも可です。

  

上司に事情を説明して困っていることを伝えれば、直接注意したり、同じシフト

を組まないようにするなど、良識ある上司なら何らかの対策は取ってくれる

はずです。

また同僚に愚痴をこぼすという手もあります。

これは人を選びますが。。。まずは信頼のおける人にそっと言ってみるのが良いと

思います。思い切って職場内の誰かに言ってみると、案外「共通の認識」だったり

もします。 

そうやって、1人で抱え込まず、周りに認識を広めていくことが、再発防止のために

大事です。

 

担当ミーティングや全体ミーティングで言うという方法もあります。

みんなの前で是非を問えば、向こうも逃げ隠れは出来ないので、あっさり非を認め

て謝ってきたりとかします。

 

直接の問題解決になるかどうかはさておき、精神の安定のためには、内部や外部の

相談機関を頼る方法もあります。

産業医心療内科精神科医とか、いのちの電話とか、職業支援センターとか。。

 こういう職場とは関係のないところで一通り吐き出して話を聞いてもらうと、

意外と元気になったりするものです。

 

 

4点め。

 

「普段から周りの人とコミュニケーションをとって、早めに話しやすい場所を

 確保しておく」

  

たいていの職場には1人くらい、どうしても気の合わない人というのがいたり

します。

 

さらに、それは時間の経過とともに変わっていったりもします。

 

しかし、もし耐えがたい苦痛を感じるような出来事があったとしても、

「こないだあの人にこんなことされたんですけど」とそれを打ちあけて話せる

ような人がいれば、こちらのダメージはだいぶ和らぐものです。

 

意外にも「私もやられたことあります」「それみんなやられてますよ」と

いう結論が導かれたりすることもあります。

 

解決には至らなくても、解ってくれる人が一人でもいれば、それだけで、気持

ちは落ち着くものです。

 

また、たとえ誰かと雰囲気が悪くなっても、他に気兼ねなく笑って話せる人が

いれば、自分の居場所は確保されるので、そこまで針のむしろ状態にはなりま

せん。

気兼ねなく話せる人が一人でもいることは、心の安定に一役も二役も買います。

 

一番やらないほうがいいことは、誰とも積極的にコミュニケーションを取らず、

職場内で孤立してしまうことです。これは本当にまずいし、何かあった時、相当

辛いです。

話をしていないと、仕事の勝手がわからなくなるし、ちょっとしたことでも大げさ

に受け取られ、あることないこと上司に報告されたりします。

逆に言うと、周りの人とコミュニケーションさえ取れていれば、何かあったとし

ても、そんな大事にはならずに済みます。

 

マニュアルが整備されていなくて「暗黙の了解」で、仕事やシフトが多く

回っているような場所では、コミュニケーション不足は特に致命的となり

ます。

なんせ周りの人に教えてもらわなければわからないことばかりなのですから。

 

最初の業務の指導者が任命されていれば良いですが、必ずしもそうした面倒見

のよいところばかりではありません。

自力で周りの人に仕事の仕方を教わっていくしかないようなところでは、

同僚と積極的にコミュニケーションをとることは、より重要な生存戦略

なります。

 

なのでなるべく早く、いろんな人とコミュニケーションをとり、「信頼のおける、

話せる人」を作ることが大事です。

 

まとめると、

 

1「道を塞がない」

 

「知っていることを注意されたり、覚えのないミスを疑われた時は、遠慮しないで

 ちゃんと申し開きをする」

 

「業務妨害を受けたら、1人で抱え込まず、周りの誰かに相談する

 

4「普段から周りの人とコミュニケーションをとって、早めに話しやすい場所を

  確保しておく」

  

 

 

以上、私の考える非正規図書館員に必要なレジリエンス4つでした!