司書講習への道~After~

司書資格取得後の図書館勤務生活について書きます

図書館に再就職した現状について

こんにちは。今日はまた図書館に再就職したので、現在思うところをつらつらと書いてみたいと思います。

 

実は4月からまた新たな市の図書館の嘱託司書として、再就職しました。

今度は市の直営です。

 

昨年痛めた背骨の状態や、いろいろ崩した健康状態はかなり回復したとはいえ、

まずまずといった感じでしたが、ずっとぷらぷらしている訳にもいかないので、

とりあえず一か所受けてみたところ、まさかの合格となってしまったので、通い始めた

といったところです。

 

正直言うと、それまでまあまあだった背骨の状態や健康状態が、仕事を始めた途端、

また悪化しだしたので、健康状態的にはかなり厳しいかなと感じております。

 

ただ今度の職場は休みが多く、以前はなかった祝日休みや祝日の代休制度などがあり、

そもそも週4と、前よりもかなりゆるい勤務体制なので、休みつつうまくやれば、もし

かしたらいけるのかもしれない、とも感じております。

 

仕事内容には重い段ボールを運んだり、書庫から沢山の本を出し入れしたり、かがんだ

り、変な体勢で力を使ったりといったことが多いようなので、正直不安はあります。

 

しかし選書やおはなし会、小学校の図書館見学やブックトークなど、新たに体験できる

仕事が沢山あるので、楽しみでもあります。

 

問題は体調が続くかどうかです。。

 

入ったばかりだというのにそんなわけで結構休んでしまっており、それも申し訳ないと

いうか、気になるところです。

 

まあ、病院で相談しつつ、いましばらく様子見かなあと思っております。

 

同じ市立図書館でも、ところ変わればシステムもやり方も書棚も変わるわけで、前は出

来ていたことが出来なかったり、やっていなかったことをやっていたり、図書館なら当

然やると思っていたことをやっていなかったり、びっくりすることが沢山あります。

 

いいなと思うところもあれば、これはちょっとどうなのと思うことも沢山あります。

 

しかし私は新人なので、現状あまりそういったことを口に出すことは控えています。

 

入った時上司に何か気づいたことあったら言ってくださいとは言われましたが、いちい

ち言っていたらきりがないほどある(笑)のと、やはり教わる立場でそういうことばか

り言うのもどうかと思うので、言うのを控えています。休んでばっかりでいろいろフォ

ローもしてもらっている身でもありますし。

 

ところがこれが結構なストレスで(笑)

現状これらを自分の中でどう処理するか、というのがいちばんの課題です。

入ったばかりなのに体調を崩してばかりいますが、これらのストレスも原因の一つだと

思うので、本当にこれは早急に解決しないといけない問題です。

 

いまのところはこっそり自分だけのメモに書き留めて発散?しております。

いずれもう少ししたら上司に言っていこうとは思っています。

 

ということで今日は入ってみて気付いたことを、ひとつだけ書きたいと思います。

 

私は以前別の市の図書館で臨時職員を長くやっておりました。

その時の仕事は主にカウンターと配架でした。

カウンターでは貸出、返却、予約資料の受け渡し、予約の用紙預かりのほか、「○○とい

う本どこにありますか」とか「折り紙の本どこですか」とか「日光について書いた本ど

こにありますか」といった、あまり時間をかけずに解決できる簡単なレファレンスも

担当していました。

 

そしてたとえば「この和歌はだれが書いたのか知りたい」とか「この花の名前を知りた

い」といったような、少し時間のかかるレファレンスは嘱託司書の方にお願いしており

ました。臨時職員は主にカウンターをさばくことや配架をすることが仕事だったので、

時間のかかるレファレンスは嘱託司書がやるという分業制になっていたわけです。

 

私は早くそういった専門的なレファレンスをする立場になりたかったので、がんばって

司書の資格を取り、嘱託に応募しました。しかし残念ながら試験には落ち続けており、

まだそこの市の嘱託にはなれていません。

 

その代わり他市の嘱託にはなれましたので、違う市をふたつ経験しました。

そしてわかったことは、嘱託になったからといって、必ずしもレファレンスが出来るわ

けではないということです。

 

そもそも市の方針として、嘱託(司書資格必須)と臨時職員(司書資格はなくてもよ

い)に分けているところと分けていないところがあります。

分けていても、臨時職員は人数がすごく少なくて、業務も配架や返却本の仕分けといっ

た、本当にごくごく一部しか請け負っていないところがあります。

 

分けていないところは嘱託になるのに必ずしも司書資格必須とは限りませんが、どちら

にせよ図書館の業務をほぼ全て嘱託でまかなっているということです。

それはどういうことかというと、貸出、返却、予約本の受け渡しや予約用紙の受付

(時には入力まで)や配架といった、他市では臨時職員が担っているような単純作業

も、すべて嘱託がやるということです。(しかも司書資格必須だったりする)

 

その結果どうなるかというと、せっかくカウンターに司書資格ありの司書がいるのに、

貸出返却予約資料の対応、配架に追われ、肝心のレファレンスがメインカウンターでは

受けられなくなるのです。。(ぎりぎりの人数で回しているので、1人が長く抜けると

カウンターが回らなくなるため、そういう時間のかかりそうな人はレファレンス専用カ

ウンターを案内するように言われます)(そちらには常に1人専用の人員が待機してい

ます)

しかもそこには普通のカウンターのように全員がローテで入れるわけではありません。

専用の係がいるようで、一部の人しか入れません。私には今のところ入る機会は回って

こなさそうです。。

 

これは「司書資格を取って嘱託になったら今度こそがっつりレファレンスができる」と

期待していた私にとってはかなりがっかりする、悲しいできごとでした。。

 

前市もやはりほぼ嘱託で回しておりましたが、貸出・返却・予約資料の受け渡しを自動

(セルフ)で行っていたため、カウンターでは全員ががっつりレファレンスも受けるこ

とができました。(しかも当時は司書資格は必須ではなかった)

しかし現在はカウンターに入りながら、それらに加えて配架も済ませなくてはいけない

ため、カウンターでは常に慌ただしく、ひとつの席にゆっくり座ることは決してかなわ

ず、カード作成すら落ち着いて出来ず、ましてやレファレンスをや、といった感じで

す。(悲)結局臨時職員だった頃とほとんど変わらない仕事(貸出、返却、予約資料の

受け渡し+配架!)を、相変わらずカウンターでは主にやっています。

 

嘱託になったら貸出返却配架予約資料の受け渡しと簡単レファレンスばかりの日々から

抜け出して、がっつりレファレンスを担う生活を夢見ていたのに、それは夢のまた夢み

たいな感じです。市の規模が小さいせいか、もともとの質問自体が少ないというのもあ

って、レファレンスはどうかすると臨時職員だった頃よりもできません。。。

 

質問がこない原因としては、カウンターの人員がほぼ常に立ち働いていて落ち着かず、

あまり正面を向いている人がいない、というのもあると思います。(なのでよく気づか

れないままカウンター前に人が立っていることがあります)(でもここの市の人は温

厚?なのか文句を言う人は誰もいません)

 

カウンター内の慌ただしい空気が利用者の質問しようとする気持ちを遠ざけているなと

感じます。きっと忙しそうだからと遠慮しちゃってる人もいることでしょう。全然そん

なこと思う必要ないのに。

知りたいことを知ることができるのが図書館で、知りたいことをどうやって調べたらい

いかわからない人を手伝うのがレファレンスという、図書館員の大事な仕事のひとつで

す。どんなにくだらない質問かもと思っても、「○○について知りたいんですけど」とカ

ウンターで堂々と質問してくれていいんですよ。「誰々の話が読みたい」でもいいんで

す。

 

本来なら知りたいことがあるけど、どうやって調べたらよいかわからない、という人を

積極的に手伝って調べ方を教えていくのが図書館の重要な仕事のはずです。そこに社会

的意義もあると思っています。

 

でも今私がやっているのは既に情報を得た人が予約した資料を受け渡すことや、予約の

事務処理をすることだけ。

 

 全然情報格差解消に貢献してる感じがしない。。。

 

人手が足りないのはどこも同じですが、ここまでくるといろいろ矛盾や悪循環を感じま

す。 建物自体が古く、動線がかなり限られているのも、仕事のやり方をだいぶ非効率な

感じに制限していると感じます。(でも市はちょこちょこ工事はすれど、図書館自体を

全部建て直す気はないらしい)

 

もちろん選書や図書館見学など、これまでの市では決して担えなかった仕事が担えると

いういい面もあります。しかしその逆も当然あるのだな、ということをひしひしと悟り

ました。

 

当面はそういう新しいことを学ぶために来たのだと割り切って、レファレンスは諦める

しかないのか?⤵と思っております。

 

前市にいたときは全てセルフのため貸出返却のときに挨拶や会話ができないのが不満で

したが、今は逆で、挨拶はできますが貸出返却対応に追われて、ほとんどの人が小さな

レファレンス一つ対応できないのも問題だな、と感じております。

 

実際あるものを探しに来た人にレファレンス窓口を紹介したら帰ってしまわれたた

め。帰ってしまった理由はいろいろ考えられます。そんな仰々しくしたくない、前回

の対応が問題ありだったなど。でも人を変えて何回も受けられれば解決する可能性も上

がりますが、限られた人(現状1人)しか対応できないとなると、その機会が最初から

かなり制限される→諦めるという選択になる可能性も上がる→知りたいことは知れない

まま図書館を去る→図書館役に立たず、なんのための図書館????

 

その仕事で結構いいお給料をもらっておいて言うのもなんですが、「司書の無駄遣い

感」が半端ないです。はりきって図鑑で調べ始めるもすぐに他を案内するよう言われ、

自らなすすべもなく、「この前もあそこでやってもらったの。もういいわ。」と目の前

で帰られた時の虚しさと言ったらありませんでした。。

 

要するに必要資格に「司書」と書いてはあっても、仕事内容にその資格を活かす気はさ

らさらないのだな、とわかりました。配架や物流なんて別に司書資格なくてもできます

からね。実際なしでこれまでさんざんやってきましたし。ただ必要資格に司書と書くの

は、職員全体の「司書率」を上げて恰好をつけるためだけみたいです。 

わかってはいたけど、応募作文であれだけ理想を書かせておいて現実との乖離を目にす

るとほんとにむなしい。。。

 

司書がプロとして階級が成立しているアメリカとは程遠いわ。。日本。。

 

結局私の日常的に図書館全体で大中小がっつりレファレンスを受けたい、という願いを

かなえるには、「臨時職員に貸出返却配架や簡単なレファレンスなど、かなり幅広い仕

事を任せている」もしくは「貸出返却予約資料の受け渡しは自動でセルフでやってもら

っている」ところでしかかなわないのかも、ということに思い至ったことが、今回の新

たな発見です。

 

次回応募するかわかりませんが、もしそうなったらこの点は要チェックだと思いまし

た。

 

以上、最近感じたことでした。