司書講習への道~After~

司書資格取得後の図書館勤務生活について書きます

公共図書館で嘱託員として働くときに気を付けたいこと

(2020年2月11日追記)

こんにちは。

相変わらず日中は暑いですね~。

 

先日は小泉進次郎環境相が、国連気候行動サミットでのセクシー発言やら、ステーキ

食べたい発言やらで騒がれていましたね。

恥ずかしながら、今回、あれで肉食(特に牛肉)やら石炭火力発電がCO2問題的に

NGだということを初めて知った私です。

 

児童担当なので、毎週の新刊受け入れ作業で、そういうことが書かれているであろう、

調べ学習用の環境問題などを扱ったシリーズをさんざん受け入れしているのですがね。

いつも興味深いと思いながら、ゆっくり内容を読む暇はあまりないので(他にチェック

しなくてはいけない絵本やお話の本、古典名作が山ほどある)流し見でしたが、やっぱ

りそれじゃいかんなと思いました。今度じっくり見てみようと思います。

 

ずっと気になっていた電力会社の変更もやらなければ。東京電力からはとっくに変え

ましたが、原子力ではなくとも、現在も化石燃料発電の会社ではあるので、もっと

再生可能エネルギーメインで運用しているところに変更する予定です。

 

さてさて。前置きが長くなりましたが。

 

本日の本題は、タイトルどおり、「公共図書館で嘱託員として働くときに気をつけたい

こと」です。

 

まあいわずもがな、例の非正規問題です。

これについてはさんざんいろんなところで書いてきましたが、つい最近、またこれを思

い知らされる出来事があったので、この項目の重要さを改めて再確認、そしてこれから

この職を目指される皆さんにもぜひとも周知しようと思った次第です。

 

結論から言うと、特に嘱託だけでカウンターも配架もすべてをまかなっているよ

うなところでは、

 

自分の納得いく範囲を超えてまで、体力的に無理して働かない

 

ということです。

 

これはどういうことかと言いますと、

図書館の仕事にはカウンター(貸出、返却など)や配架(本を棚に戻す作業)、他館か

ら回ってくる交換便の仕分けと予約資料の棚入れといった、わりと単純作業的な仕事が

数多くありますが、自治体によってはこういった仕事をアルバイトにかなり任せている

ところと、ほぼすべて嘱託(場合によっては職員も)がやるところがあります。

 

私の経験から言うと、アルバイトに任せているところはそんなにきつくはありません。

私自身が最初はこういうバイトをしておりましたが、カウンターは1時間交代と決まっ

ていましたし(それ以上やると疲れるから)、配架も1時間交代。

嘱託は配架がなく、カウンターも少ないため、臨時職員(アルバイト)と嘱託は体力的

にきつそうにしているところは見たことがありませんでした。(職員は少しきつそうだ

った)

 

しかし、その後2つの自治体は、どちらもほぼ嘱託がメインで全てを賄っており、

これがどちらも基本的にきついです。

 

なぜかというと、人手が足りない昨今、自治体はぎりぎりの人数しか雇いません。

 

前にいた自治体では貸出返却はセルフサービスでしたが、交換便などは大量に来ます

し、なにより休館日あけの荷物が、多い時にはブックトラック12台とかあります。

朝の返却係になると、それを2人で館内に1か所2口しかないブックポスト型の返却口に

手裏剣のような速さで次々と入れなくてはなりません。1人6台計算です。開館準備時間

は1時間でしたが、この作業だけでほぼ1時間、開館ぎりぎりまでかかったこともありま

す。「早くしないとお客さん来ちゃう!」というプレッシャーの中、ブックトラックか

ら本を抱え、「お願い、早く入って~!」と祈りつつ返却口にすべりこませる作業。。

精神的にも体力的にもまあ疲れること疲れること。。

他にもいろいろありますが、毎週、休館日明けは朝の開館準備だけでぐったりでした。

 

臨時職員だった時には、時間内にできなかった配架はそのまま残しておいてよい

という決まりで、決して無理してやる必要はありませんでした。なので精神的にも

まだゆとりが持てました。

 

ところが嘱託になった今の自治体、前の自治体では、どちらも配架は基本的に

残さないという方針で、多くてもみんな無理して片付けます。

さらに同じ時間に同じシフトに入っている人との連帯責任になるので、自分だけ

疲れたからサボるというのもしにくい雰囲気。

 

自治体によって仕事の割り振り方はだいぶ違い、前の自治体と今の自治体では

やっている仕事も随分変わりました。

 が、ぎりぎりの人数で回すため、個人が請け負う仕事量が多く、配架もやるの

で力仕事も多くなりがち。というのは共通しています。

 

また、自治体によって任される仕事は違えど、例えばテーマ展示の選書とか、

おはなし会とか、職場体験全体管理とか、もっと裁量のある仕事もしますので、

こういったことを回すのにもかなり神経を使います。

 

それから今の自治体は、近年、職員さんの仕事を嘱託にも割り振るようになったので、 

その仕事の担当が自分1人しかいないということもままあり、これも相当な精神的プレ

ッシャーです。

 

どういうことかと言いますと、例えば新刊受け入れ作業なら、前職場は職員が進捗管理

し、ダンボールから本を出してブックトラックに並べ、その後嘱託に検品、受け入れ、

装備などの細かい仕事を割り振り、実際表に出すのは職員でしたが、嘱託に全部任され

ている今のところでは、1人で箱明けから検品、明細記入、受け入れ、装備、出しまで

やらなければならないといったようなことです。

 

力仕事もしながら頭を使う仕事もするとなると、かなり疲れます。

少なくとも、力仕事でへとへとになった夕方の頭では、たいしたことは

考えられません。(でもシフトによっては与えられる自由時間がそれしかなかった

りする)

 

配架しまくって、あいまに棚の入れ替えで本抱えて階段を何往復もし、さらに書庫

への配架、交換便の荷物運びなども積極的にやった日には、疲労と肩こりと筋肉痛

で動けず、その後の休み4日間をそれらの解消のために費やしました。(お金も)

(連続で4日も休みがあるだけで前よりはずっとましですが)

 

ちなみに前職場はそれだけの肉体疲労や慢性的な肩こりを毎日抱えながらも、

整体院に通うなどこれといった処置もせず無理を続けた結果、体を壊しました。

 

今思うと、整骨院などにはもっと積極的・定期的に通ってメンテナンスするべき

でしたが、ここではそれはおいておきます。

まずは負担そのものを軽減することについて話します。

 

そこで大切なのが、

「自分が身体的・精神的に相当なダメージを受けるまで無理して働かないよう、

 仕事の種類や量を日々自分でうまく調節する」

ということです。

 

基本的に任される仕事は決まっていますから、それはもちろんやらなくては

いけません。

 

しかし、たとえば配架なら、ちょっと疲れたな~と感じたら、ペースをゆるめる、

配架しているふりして館内をさーっと流すとか、一回に持つ量を減らすとか、

重い7類やガイドブックはやめて文庫にするとかいったことで、目立たないように

しかし確実に自分の負担を減らすということです。

 

たとえば交換便なら、座ってレシートを出す係になるとか、立ってあるいは座って

レシートチェックする係になるとか、電話する係になるとかして、箱から本を大量

にブックトラックに載せたり棚に入れる作業を極力避ける。

 

あるいは志願者がやることになっている仕事なら、あえてスルーするといった勇気

も必要です。

 

あとはまあ疲れたらちょっと一息ついて、可能であれば座ってお茶を飲んだり、

チョコひとかけら口に入れてみたり、内容チェックする絵本を見たり、回覧を読ん

だり、PC入力作業に切り替えたり。自分の棚から抜いた書庫行きの配架なら、棚に

戻すのは明日にして今日はロケーション変更と、誰かに探されないように状態変更

だけしておいて本はちょっと置いておいたり。

 

こうしたことで少しずつ省エネし、疲労困憊するまで働くことを避けることが

大切です。

でないと結局体力回復のためにその後何日も費やしたり、働かない人を恨んだり、

職場の体制を嘆いたりとかいった無駄なことに、自分の貴重なエネルギーと時間を

費やすことになるからです。

 

正規職員と違って給料も病休などの制度的な保障も低い嘱託職員は体が資本です。

壊したら自分の生存に関わります。ここで生活費を稼いでいるなら、それだけは

断じて避けねばなりません。

 

しかし、いろんな著名人も指摘していることですが、日本人はとにかく低い給料で

も働きまくります。文句は言ったり言わなかったりしながら、時には身体を壊すま

で。。

その必要はないんじゃないの?と言いたい私です。

 

働きたいなら働いてもいいけど、図書館の仕事はそもそも給料が低いので、

自分が不当に働きすぎて体調を壊しているといったような事態に陥り、不満だるま

にならないようにする必要があります。

こういったストレスは確実に体を蝕みますし、まず自分にとって良くないので。

 

自分が納得できる範囲内で働く、ということです。

これ以上できる、やらねばと思っても、体力的・精神的に無理そう、辛そうなら

ほどほどにしておく。

 

その調整は自分でする。

 

この前、臨時職員の方ともお話ししましたが、図書館でしばらく働き続けたいなら、

これはたいへん重要なことだと思います。

 

基本的な体力に加えて、この調整がうまい人は、長く働いているな~と感じます。

会話しながらさりげなくチェック係になったりとかね。

 

あとは気分転換がうまい人、気持ちの切り替えが早い人も長く働いています。

たとえ仕事が残って気になっていても、その心配を自宅まで持ち帰らない。

自分の努力で対処できるところはさっさとして、あとは気にしない。

 

いやなことがあってもひきずらない。その気分は自分でなんとか対処して、

自宅では映画を観るとか、音楽を聴くとか、趣味の本や漫画を読むとか、

レジャーに出掛けるとかして、積極的に気分転換をする。(これが対処になる人も)

 

これがうまい人ほど、精神的なバランスも取れているし、明るく元気に働いています。

 

ちなみに配架などの仕事が終わらないのは人員ぎりぎりで回している職場が悪いので、

終わらないならみんなで残して職員に人足りてないよアピールし、アルバイトなどの

人員を増やしてもらう。あるいは残しても可にルール変更してもらう。など何らかの対

策を立ててもらうのが最善だと私は思います。

 

けどみんな頑張ってやってしまいがちなのよね。。

 

そうすると上司はその事実を把握できず、状態はいつまでたっても改善されません。

 

体力温存して職場の改善のために動くのは建設的だと思うけど、無理して働きすぎて

疲弊して職場や他人や自分を恨むのは時間の無駄だと私は思います。

 

そもそも公共図書館は市役所なので、そんな簡単に改善などはされません。

何事も動きが遅いのが役所というところです。

指定管理のところは別かもしれませんが。

私の経験から言うと、待遇面でそんな簡単に改善などされないのは、市役所も

指定管理も一緒です。

 

そういうところで働くにおいては、自分を損なったり、病まないように気を付けること

は、超重要事項だと思います。

 

 

前職場の先輩が言った、とても心に響いた言葉があります。

 

「(1日の)最後までもつということが大事」

 

今でもよく思い返しますが、本当にその通りだと思います。

 

自分への戒めを含めて。

 

それでは今日はこのへんで。